ご 挨 拶

                      正念寺第二十五世住職 荻野 義正

当山はフルネームを「 来迎山 引接院 正念寺(らいこうさん・いんじょういん・しょうねんじ) 」と称し、神奈川県藤沢市の沢山 遊行寺 」を総本山とする時宗に属します。

 今を去る四百数十年の昔、天正二年(西暦一五七四)の創建、開基は遊行三十一代同念上人と伝えています。

 時宗の開祖一遍上人は生涯を通して全国津々浦々を旅して念仏勧進をつづけられました。そこで、世の人々は一遍上人のことを遊行上人と呼んで敬慕しました。またその跡を継いだ歴代の上人も宗祖にならって念仏勧進の遊行を続けて今日にまで至っています。こうして歴代の遊行上人が全国を巡錫されるにつれて、各地に「時衆」と呼ばれる念仏集団を生みました。当山もその第三十一代遊行上人によって開かれた念仏道場なのです。そして、この堂宇の創建に当たっては覚阿とという時衆が力を注いだと言われています。

 本堂に安置する阿弥陀如来像は、全国的にも珍しい半跏坐木像で、鎌倉期の趣があります。下陣の格天井には花鳥、山水、人物等百四十四枚の彩色画が嵌め込まれており、その施主名には江戸中期の尾道を代表する商家の屋号が見え、隠れた歴史資料ともなつています。

 また、地蔵堂に安置されている延命地蔵尊は古来「法の効く、御利益あらたかなお地蔵さん」と信じられ、日々参詣の人が絶えません。

 なお、この延命地蔵尊へのお供え水として今も境内に滾々と湧く「延命水」は尾道随一の名水です。伝によると、この地域は昔、西脇の里と呼ばれ、防地川西側の街道に沿ったところでしたから、往来の旅人はこの清水に喉を潤し、堂に足を休めて湯茶の接待を受ける慣わしがあり、俗に「防地の茶堂」の名で親しまれました。

 この旅人への湯茶の接待に起因する「八朔施餓鬼会」や宗祖一遍上人以来の「おどり念仏」を今に伝える当山は、まさに時宗風の町寺というべき存在と言えましょう。

 あなたもどうぞ清冽甘美な「延命水」に旅の疲れを癒してください。ついでに旅の運勢を占うおみくじも用意致しています。
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